今回訪れたのは海と日本プロジェクトの推進パートナー企業 (株)トマス技術研究所さん(うるま市)。
こちらは『チリメーサー』シリーズなる小型焼却炉を製造・販売しているんです。
ということで明るく迎え入れてくれたのは営業部の小牧稔仙さん。
看板には今回のポイントでもある「技術を通した環境改善」が刻まれていますね。早速色々お話を聞きたいと思います。
Q.社名の「トマス」ってどんな意味でしょうか?
→ リスペクトしている発明家のトーマス・エジソンに由来しています。
Q.小型焼却炉の『チリメーサー』の名前はどんな意味がありますか?
→ チリは「塵」でごみの事ですね。
そこに「燃やす」の沖縄方言「メースン」にerをつけて「メーサー」です。
なるほど、直訳すると「ごみを燃やす人」といったところでしょうか。
ストレートでわかりやすいですね。
では早速 焼却炉を見せて頂きましょう。
手前にスリムな焼却炉が3タイプ、そして奥にでっかい工場用(?)がありますね~
→ 小型焼却炉チリメーサーの特徴の一つに設置に関して公共機関への届け出の不要が挙げられます。
つまり、ごみの自社処理(焼却)の利用であれば行政的な手続きが不要なんです。
※業廃棄物収集運搬業など営業目的が入ると各種手続き・届け出が必要です。
※写真右にあるチリメーサーのタイプは届け出が必要です(左と真ん中は不要)。
なるほど。届け出不要の要因として他にも焼却炉の容積(↓)が一定量以下なども関係あるらしいんです。
しかもチリメーサーの機能に焼却中に別口から追加でごみを投入できる仕組みがありました。
↓の青枠が先に見た炉の部分です。最初はその扉を開いてごみを入れて燃やすのですが・・・
ここで、赤枠の扉を開けるとゴミを溜められる新たなスペースが出現します。
↓ こんな感じです。
ここに追加で燃やすごみを入れて蓋を閉じ、中(奥)の蓋を開けるとごみが炉の部分に落ちて追加で燃えるという仕組みです。
↓ 炉に落ちる様子を分かりやすくするために写真では外の蓋を開けていますが実際は閉めてから中蓋を開けます。
左手でレバーを操作することで中(奥)蓋が空いている様子がわかると思います。
追加のごみを入れ終わったら蓋をして中(奥)蓋を開けて、
↓ 押し込み棒を押せばごみが炉に落ちます。
さて、ここで改めて『ごみ焼却中』のチリメーサーをご覧ください。
・・・何か違和感がありませんか?
実際にごみを焼却中なんですが・・・煙突から煙がほとんど出ていないんです!
↓ 写真で見てもほぼ煙が見えません。
さぁ、ここまでチリメーサーの見た目の機能を紹介してきましたが、
雰囲気がわかってきたところで中身の話をお聞きしたいと思います。
Q.チリメーサーの特徴を改めて教えてください。
→ 簡単に言うと
「ごみ処理費・ボイラー燃料費などのコスト削減をしながら地球環境の改善に貢献できる」
ということになります。
Q.もう少し具体的なポイントを教えてください。
→ 煙をほとんど出さない(タイヤを焼却してもほぼ出ません)。
→ 超低ダイオキシン(焼却温度をコンピュータで自動制御しダイオキシン類を高熱で分解。排出量は日本の規制量の50分の1に)。
→ 公共機関への届け出不要(自社のごみ焼却利用の場合)。
→ 電源は100v(家庭用エアコン程度)。
※他には灯油を使ったり、水道水を使ったりしています。
※チリメーサーは特許取得している製品です。
ポイントが色々あってすごいですね~
私なりに簡単に特徴をまとめると
①チリメーサーは企業や行政が届け出不要で単独導入でき
②煙がほとんど出なく
③ダイオキシンも日本の規制量の50分の1の量
という、とってもエコな製品だという事ですね。
Q.どんな企業・団体が導入しているんですか?
→ 漂着ごみなどの処理に苦労している離島の行政やシーサイドのホテル、木くずが多く出る建設関係などから発注頂いています。
また、海外だと多くの島で成り立ちごみ処理課題が残るモルディブ共和国やインドネシアにも提供しています。
なるほど、海に囲まれた離島や海辺のホテルなどは本当に漂着ごみに悩まされていますよね。
小型のチリメーサーがあるだけで、処理にかかる手間も大きく変わりそうですね。
→ 中城村にある家具販売店「中城モール」さんからは解体した家具を燃やせるようにと
特注のチリメーサーを導入頂いています。
家具の解体~廃棄もそのまま自社内で行えるようになっているんですね~。
Q.環境改善を謳っている・願っているチリメーサーだと思いますが、社として何か社会活動など予定はありますか?
→ ビーチクリーン活動に協力し移動型チリメーサーをビーチまで運び、
拾ったごみをその場で焼くといったボランティア活動を行っています。
なるほど、既にチリメーサーを活用してビーチクリーンを行っていたんですね。
ぜひ、今度海と日本プロジェクトとの動きの中でもコラボ実現したいですね。
以上 高度な焼却炉開発技術を用いて環境改善に取り組む
(株)トマス技術研究所さんの訪問レポートでした。
取材のご協力ありがとうございました!
(株)トマス技術研究所
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